当法人について

酒類の味を定量化して「味のものさし」を作ります

一般社団法人 酒類総合情報センター (通称LGI) は、酒類の味香りや色等を検査分析することで、味覚嗜好や味という曖昧な概念を化学的根拠に基づく基準で規格統一して幅広く活用し、国内外の酒類販売の拡大に貢献することを目的として活動しています。

実現困難であった味表記の規格統一と一元管理

消費者が目にする味の表記は、各社で作成したコメントや図表のため、基準がなくバラバラです。当センターは、味・香り・色といった味に関わる項目を専門機器によって検査・数値化を行ない基準化することで、酒類の味わい表記の規格統一と一元管理を実現します。消費者にとって分かりやすく選びやすい環境を整えることで、購入を促し有益な消費者味覚嗜好の収集と分析につなげます。

味の専門家の技術を集結し、科学的に酒類の味わいを定量化

味の比較や個人の味覚嗜好を正しく把握するためには、味の基準化が必要です。当センターでは、世界で初めて味覚センサーの概念を提唱した九州大学主幹教授の都甲氏が開発し、世界で初めて実用化された株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー社製の味認識装置や、美味しさに大きく関わる香りの強さや質を数値化する匂い識別装置などを用いて酒類の味の基準化を図り、個人の味覚嗜好を科学的根拠のある数値として把握することを可能にしました。

そして、味の研究において先端を行く都甲氏の他、人の感覚を考慮して味覚嗜好に合ったお酒を数値から導き出すアルゴリズムで特許を取得したシニアソムリエの神谷氏を含む、味に関しての専門家である当センター顧問・理事の知識と経験を結集して監修した独自のアルゴリズムを基に、「数値化した味わい」を「人の感覚」と融合させ、数値をレーダーチャートや二次元マップといった万人に分かりやすく専門的な味の可視化を実現させました。

酒類業界の発展と拡大に尽力します

このように味のスペシャリストの技術を集結させ、味覚嗜好や味という曖昧な概念を、科学的根拠に基づく基準で規格統一して幅広く活用することが、当センターの最大の特徴です。これらの活動を通し、国内外の酒類販売の拡大に貢献することを目的とし、酒類業界の発展と拡大に尽力します。

 

味わいデータで「販売・営業・製造」を効率化
売上を上げる施策を実現します


会員になり自社商品の基本情報を登録し、当センターが味検査による「味わいデータ」を作成して追加登録します。これらをデータベースで一元管理し、各提携企業先の販促ツールにて「登録データ」が活用されることで、販促や営業が自動で行われます。また、賛助会員は味わいデータの自社活用が可能なため、レーダーチャートや二次元分布図といった分かりやすく可視化した味わいデータを、営業やPOP作成などにご活用いただけます。

営業の効率化・自動化を実現

規格統一された味わいデータがあることで、お客様が求める味の商品や代替の選定が簡単に行なえます。販促ツールの商品選定に自動掲載されるため営業機会が増えるなど、業務を効率化することで迅速な対応と新たな施策が可能となります。

消費者購入の促進と機会の増加

味分布図平面座標から好みの味の商品を探す販促ツールや、欲しい商品がない場合によく似た味の商品提示を行うツールなど、提携企業の様々な販促ツールでの登録データ活用により、消費者の購入を促進して売上向上を図ります。

マーケティングや商品開発に活用

味わいデータを活用して消費者の味覚嗜好を収集する提携企業より収集したデータ解析を当センターが行なうため、マーケティングや商品開発に役立つ消費者味覚嗜好のトレンド情報を提供します。味覚嗜好を活用すれば特定のターゲットに向けた施策が可能となります。

 

検査機器一覧


味認識装置  株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー
脂質膜型味覚センサーを使い、酸味や旨味といった味覚項目を数値化します。


分光色差計  日本電色工業株式会社
味と深い関係にある色を測定し、算出した数値を独自の計算式で味わいデータに組込みます。


におい識別装置  株式会社島津製作所
味に関わりのある香りを測定し、その強さや質を数値化できます。


におい嗅ぎGCM装置  Thermo Fisher Scientific
香りや栄養の成分を物質単位で数値化できます。香りの特定にも使用できます。


酒類用振動式密度計  京都電子工業株式会社
日本初の日本酒のためにつくられた振動式密度計。日本酒度とアルコール度数を測定します。


ビジュアルアナライザー  Alpha Mos Japan
食欲等を大きく左右する、色・形・大きさといった視覚的な情報を数値化できます。


テンシプレッサー  タケモト電機
歯触りに由来する硬さ、粘り気、弾力などを数値化できます。


循環式ハンディクーラー  トーマス科学器械株式会社
循環による冷却、加熱、恒温保持ができ、味認識装置検査の温度管理をおこないます。


その他
ワインの残糖値検査、専門家のテイスティングによる官能検査、pHの測定など

 

特別顧問・理事紹介


特別顧問   都甲 潔
九州大学 高等研究院 特別主幹教授
味覚・嗅覚センサー研究開発センター 特任教授


特別顧問   池崎 秀和
株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー 代表取締役社長


理事   早坂 浩史
株式会社味香り戦略研究所 研究開発部長


理事   神谷 豊明
株式会社カルチベイトジャパン 代表取締役社長
シニアソムリエ 利き酒師